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【完全保存版】屋根・外装リフォームで使われる漆喰とは?役割・補修・注意点を徹底解説【2025年】
2025.06.10
【2025年版】屋根・外壁リフォームで使われる漆喰とは?特徴・劣化症状・メンテナンス方法をプロが解説
「漆喰ってよく聞くけど、塗装や屋根にも関係あるの?」
「昔の建物の材料ってイメージがあるけど、今でも使われてるの?」
このような疑問を持つ方も多いかと思います。
実は漆喰は、屋根瓦の接着・保護・防水などにおいて今でも重要な役割を果たしており、特に和瓦屋根や漆喰壁のメンテナンスでは欠かせない素材です。
今回は、住宅リフォームや外装メンテナンスに関わる方に向けて、漆喰の役割・劣化の見分け方・補修のタイミング・費用感などを分かりやすく解説します。
■ そもそも「漆喰」とは?
漆喰(しっくい)とは、消石灰(石灰石を焼いて水を加えたもの)を主成分に、海藻糊や麻すさを混ぜて作られる伝統的な壁材です。防火性・防水性・抗菌性に優れ、古くはお城や蔵の壁材にも使用されていました。
■ 屋根における漆喰の役割とは?
瓦屋根、とくに**和瓦(日本瓦)**では、瓦同士を固定し、雨水の侵入を防ぎ、棟の安定性を保つために漆喰が使われています。
主な使用部位:
棟(むね)瓦の接合部
のし瓦の隙間
雨水が流れ込む谷部分の補強
➡ 見た目以上に、漆喰は「瓦屋根の構造を支える接着・防水材」としての機能を持っています。
■ 漆喰が劣化するとどうなる?
経年劣化や自然環境の影響により、漆喰は徐々に変質・脱落していきます。
よく見られる劣化症状:
ひび割れ(ヘアクラック~構造クラック)
剥がれ・欠落(内部が露出)
コケや黒ずみ(吸水・カビ繁殖)
棟瓦のズレ・歪み
➡ 放置すると、雨水が侵入し、棟の内部の土が流れ、瓦が崩れるリスクがあります。
■ 塗装リフォーム時に「漆喰補修」も一緒に検討すべき理由
外壁や屋根の塗装だけを行っても、漆喰の劣化を放置していれば防水性能が保てず、雨漏りにつながるケースがあります。
おすすめは、「足場を組むタイミング」で漆喰補修も一緒に実施すること。
項目
単独工事
塗装と同時
足場費用
別途必要
共通で使える
作業効率
別日程で工期が延びる
1回で完結しやすい
トータルコスト
やや割高
約20〜30%削減可能
■ 漆喰補修の費用相場(2025年現在)
工事内容
面積目安
費用相場(税別)
漆喰の部分補修(棟の一部)
1〜3m程度
約2〜5万円
漆喰の全面詰め直し
屋根全体
約10〜30万円
漆喰+屋根塗装セット
2階建30坪
約80〜120万円(足場込み)
➡「今は剥がれていない」ように見えても、中の漆喰が空洞化しているケースも多いため、診断が重要です。
■ 漆喰補修のタイミングは?
一般的に漆喰の耐用年数は約20年前後とされますが、立地条件や屋根の形状により以下の目安で点検がおすすめです:
築15〜20年が経過した
一度も棟瓦を点検・補修していない
台風や地震のあとに瓦のズレが見られる
棟の根本に白い粉・破片が落ちている
➡ 5年に1度の屋根点検、10年〜15年での部分補修がコストを抑える長持ちリフォームのコツです。
■ 「南蛮漆喰」と「白漆喰」の違いとは?
漆喰には種類があり、使い方によって性能が大きく変わります。
種類
主な用途
特徴
白漆喰(しろしっくい)
主に仕上げ用
見た目が美しく、通気性・吸湿性に優れる/耐久性はやや低い
南蛮漆喰(なんばんしっくい)
接着・防水用
炭酸カルシウムに土や繊維を加えたもので、耐水性・強度に優れる/下地向け
➡ 屋根の棟瓦には、「南蛮漆喰」が主に使われており、見た目の美しさよりも強度・耐久重視です。
■ 最近の漆喰補修で増えている「シーラー併用」工法とは?
伝統的な漆喰施工は、下地(葺き土)の上に漆喰を塗る方法ですが、近年は以下のような耐久性強化手法が増えています。
高耐久シーラーを下地に先塗り
漆喰の剥がれ防止・密着強化
雨が多い地域や風圧の高い地域では特に有効
➡ 特に神奈川県(湘南・藤沢エリア)など塩害・湿気の多い地域では、従来の漆喰施工よりもこの方法が推奨されます。
■ 漆喰が早く劣化しやすい地域・屋根の条件とは?
条件
劣化要因
海に近い(塩害)
塩分で接着力が弱まり、表面が剥がれやすい
山間部・湿気が多い
カビや苔が繁殖し、漆喰内部の水分バランスが崩れる
風が強い地域
棟瓦がずれ、漆喰が剥き出しに
谷棟や複雑な屋根形状
雨水が集中し、漆喰が常に濡れて乾かない状態に
➡ 漆喰の施工は「屋根形状と地域環境に合ったやり方」が不可欠です。
■ 漆喰は“何月に補修すべき”?季節と気温の影響
漆喰は施工後の乾燥が重要なため、季節によって施工リスクが変わります。
季節
向き不向き
理由
春
◎ 適温・乾燥しやすい
施工に最適な季節
夏
○ 施工は可
直射日光と高温による急乾燥でヒビが出やすい
秋
◎ 乾燥も安定
雨の時期を避けて工期を調整
冬
△ 乾燥しにくい
気温5℃以下では硬化不良になることも
梅雨
× 不向き
高湿で乾かず、仕上がりにムラが出る可能性大
➡ 施工時期は**「春・秋がベスト」**。真夏・真冬・梅雨は避けるのが無難です。
■ DIYでの漆喰補修は可能?その注意点とは
インターネットで漆喰補修セットが手に入る時代ですが、DIYには以下の注意点があります:
高所作業で危険(棟や屋根の傾斜は転落リスク大)
古い漆喰の「撤去」が不十分だと剥がれの原因に
漆喰の厚み・乾燥時間を間違えるとすぐ割れる
屋根材との相性や、密着不良で仕上がりに差が出る
➡ DIYは「内装漆喰」ならOK、屋根は必ずプロへ!
■ よくある誤解:塗装すれば漆喰も守れる?
実は、「屋根や外壁を塗装すれば、漆喰部分も長持ちする」というのは誤解です。
漆喰は通気性・吸放湿性が高い素材
一般的な屋根塗料で漆喰を塗ってしまうと、内部の水分が逃げずに膨れや剥がれが起きやすくなる
塗装による保護ではなく、「専用の補修材を使った打ち替え・詰め直し」が原則
➡ 塗装と漆喰は役割が異なるため、それぞれのメンテナンスが必要です。
■ 漆喰とセメント系補修材は何が違う?リフォーム現場での注意点
リフォーム現場では、「セメントで補修しておきました」と言われることもありますが、これは危険なケースも。
項目 漆喰 セメント系補修材
成分 消石灰・天然素材 ポルトランドセメント・人工樹脂など
通気性 高い 低い(密閉性が高い)
弾性 柔軟でクラックに追従 固く割れやすい
適応性(屋根) ◎高い △不適(脱落リスク)
➡ **瓦屋根には漆喰専用材を使用することが絶対条件。**セメント補修は短期的には安く見えても、長期的な破損の原因になります。
■ 漆喰が劣化したまま放置すると、最終的にはどうなるのか?
初期の劣化症状(小さな割れ・変色)を放置すると、以下のように進行します:
棟内部の葺き土が流れ出る(漆喰の防水機能喪失)
棟瓦がズレて歪む・崩れる(台風や地震で被害が顕著)
雨漏りの原因になる(屋根の端部・谷部分から侵入)
下地木材や野地板が腐る(部分葺き替えでは済まないケースも)
➡ 10万円以下で済んだ修繕が、最悪100万円超の屋根葺き直しになることも。
漆喰の補修は“費用対効果が非常に高い予防リフォーム”です。
■ 高耐久「樹脂入り漆喰」とは?進化する漆喰材の最新情報
近年は、従来の漆喰に弾性樹脂やシリコン系バインダーを加えることで耐久性を高めた「改良漆喰」が登場しています。
製品タイプ 特徴 耐用年数(目安)
従来型漆喰 天然素材・調湿性◎ 約15〜20年
改良型漆喰(弾性漆喰) 割れにくく耐久性向上 約20〜25年
樹脂配合型 密着力・柔軟性が高い 約25〜30年(施工により)
➡ 費用はやや上がりますが、メンテナンスサイクルが大きく延びるため結果的に経済的です。
■ よくある質問(Q&A)
Q1. 漆喰って白しかないの?
→ 基本は白ですが、最近はグレーや黒などのカラー漆喰も選べます。ただし、外壁塗装とマッチする色選びが重要です。
Q2. 漆喰は塗り重ねでOK?剥がさなくてもいい?
→ ダメです。**古い漆喰の上から塗ると、下地が弱っているためすぐに剥がれます。**基本は撤去+詰め直しが必要。
Q3. 築何年で点検すればいい?
→ 一般的には10年で点検、15〜20年で補修や詰め直しが目安です。
■ 漆喰の“日本建築”における文化的・歴史的な役割
漆喰は単なる建材ではなく、日本の気候・文化・災害対策に根差した知恵の結晶でもあります。
古来より蔵・寺社仏閣・城の壁に使われてきた
湿気の多い日本の気候に対応する「呼吸する壁材」
耐火性能の高さから、火災から文化財を守る壁材としても採用
「和瓦 × 漆喰」の組み合わせは、雨風に強く、耐震性・耐久性も兼ね備えた伝統的な屋根構造
➡ 現代の住宅でも、災害対策と美観を両立する素材として再評価が進んでいます。
■ 漆喰の施工不良で起きやすい「3大トラブル」
漆喰は柔らかく施工性も高い反面、知識や技術が不足した施工によって深刻な問題を招くこともあります。
厚塗りしすぎ → 乾燥ムラによる亀裂や剥がれ
下地処理不足 → 漆喰が定着せず、1年以内に脱落
乾燥養生が不十分 → 仕上がりが粉を吹いたようになり、雨で流れる
➡ 正しい工程(下地処理 → 詰め直し → 養生乾燥)と、「屋根漆喰に精通した業者選び」が何より重要です。
■ 漆喰と自然災害|台風・地震に強い屋根にするために
漆喰の劣化放置が、災害時にどれほど危険かをご紹介します:
台風時:棟瓦の接着力が失われていると風圧で瓦が飛散 → 人的・物的被害に直結
地震時:漆喰が崩れ、棟瓦が落下 → 落下による事故・雨漏り・壁内損傷
▶ 実際、台風被害や地震後の屋根トラブル相談の7割に「漆喰の脱落」が含まれるとも言われています。
➡ 「災害に強い家づくり」のスタートは、まず漆喰の点検とメンテナンスから。
■ 漆喰メンテナンスのチェックリスト(自宅で確認できる)
確認項目
異常のサイン
対応目安
棟瓦の根元が黒ずんでいる
カビ・コケの繁殖
要洗浄+点検
地面に白いかけらが落ちている
漆喰の剥がれ
緊急点検が必要
雨音が変わった/天井の一部に湿気
漆喰劣化からの雨水侵入
屋根全体の調査を推奨
棟瓦が曲がって見える
漆喰が内部から崩れている
補修または棟の積み直し
■ 漆喰は“住宅保険・火災保険の補償対象”になることもある?
漆喰補修は保険対象になる場合もあります。
保険適用されやすいケース:
台風や地震によって漆喰が脱落、棟瓦が崩れた
近隣建物の飛来物による外壁の漆喰破損
地震による屋根全体のズレに伴う漆喰補修
▶ 多くの火災保険には**「風災・雪災・地震保険特約」が含まれているため、条件を満たせば工事費の一部または全額補償**されることも。
➡ 施工前に「保険申請に対応している業者か」を確認すると安心です。
■ 2025年時点:漆喰に関する補助金・助成制度はある?
一部自治体では、耐震・屋根軽量化・防災強化の観点から、屋根補修・漆喰補修に関する補助制度が存在します。
例)神奈川県の一部市町村
屋根改修工事に最大20万円補助
築年数30年以上+防災診断後などの条件あり
リフォーム一括工事(塗装・屋根・漆喰)で申請可能な場合も
▶ まずはお住まいの自治体に「住宅リフォーム支援事業」で問い合わせてみるのがおすすめです。
■ 他の補修方法と「漆喰補修」の違いを徹底比較
「屋根補修って、漆喰以外にもいろいろあるよね?」という疑問に応える形で、他工法との違いを明確に解説しておくと読者の理解が深まります。
補修方法
特徴
費用感
メンテナンス性
備考
漆喰補修
棟・瓦の接合を補強しつつ防水
○
◎
屋根の構造維持にも寄与
コーキング補修
一時的な防水対策
◎安い
△
経年で硬化・剥がれやすい
屋根塗装のみ
美観・表面保護には有効
○
△
構造部分(漆喰等)は未対応
カバー工法
屋根全体を新素材で覆う
△高い
◎
漆喰劣化が激しい場合は選択肢
➡ 「塗装+漆喰補修」の組み合わせが、費用対効果の高い長寿命リフォームとして最適です。
■ 「自宅に漆喰が使われているか」を簡単に判断する方法
漆喰が使われている家かどうか分からない…という方向けに、セルフチェック方法を紹介。
【チェックポイント】
屋根が「和瓦」「銀黒」「いぶし瓦」などの場合、ほぼ確実に棟に漆喰が使われている
棟瓦の根元が白く見える → それが漆喰
棟部分が階段状に積まれている(のし瓦)場合 → 中に漆喰が施工されている
平屋〜2階建の築20年以上の戸建住宅 → 7割以上が漆喰使用の可能性
➡ 点検前にこのセルフチェックを提示しておくと、問い合わせに直結しやすくなります。
■ 外壁塗装と同時に漆喰補修を依頼する際の「業者への確認事項」
読者が実際に行動する段階で役立つ、失敗しないための確認リストを掲載。
確認すべき項目
内容
漆喰はどの範囲まで点検・補修対象ですか?
部分か全面かを確認
屋根に登っての写真報告はありますか?
見積書と併せて依頼推奨
漆喰に使う素材の種類と耐用年数は?
白漆喰 or 南蛮漆喰/改良型など
保証期間はどれくらいありますか?
一般的には5〜10年(口頭確認だけでなく書面で)
以前補修した跡があるが、再利用は可能ですか?
重ね塗りNGの旨も確認必要
■ 施工中によくある「お客様からの質問と回答」例(会話形式)
Q:「漆喰って、真っ白で目立ちすぎないですか?」
A:「色付きの漆喰(黒・グレー)や、仕上げの形状も調整できます。屋根の色に合わせた提案も可能です。」
Q:「工事中の騒音って大きいですか?」
A:「高圧洗浄や瓦の取り扱い音はありますが、1日〜2日程度の工程で終了します。」
Q:「古い家だから工事が難しいのでは?」
A:「むしろ漆喰は昔の家ほど合っています。伝統工法に詳しい職人が担当します。
■ 漆喰補修をお願いする際の業者選びのポイント
屋根工事と塗装、両方に対応している業者がベスト
点検時に写真付きで棟・漆喰の状態を説明してくれるか
「葺き替えしかできません」と高額提案ばかりする業者は注意
和瓦の施工経験が豊富であること(特に築年数のある住宅)
ガイソー藤沢店 対応地域
藤沢市・鎌倉市
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